ラジオ(FMあまがさき、「中西優一郎のLaw・and・Order」の第42回目)に出演致しました。
「夫が死亡したら、賃貸マンションから退去しなくていいの?」
私は、60代の主婦です。先日、長年連れ添った夫を亡くしました。
マンションは夫名義で契約して私と息子で一緒に住んでいたのですが、夫の死後、私たちは立ち退かなければならないのでしょうか。
できれば家賃も契約条件もこのままで住み続けたいと思いますが、方法はありますか。
というテーマでお話ししました。
人が亡くなると、その人の財産は相続人に引き継がれます。
亡くなった人が賃貸住宅に住んでいた場合は、借家権が相続人に引き継がれます。
夫が亡くなっても、同居していた妻子は借家権を相続しますので、妻又は子が新しい借家人となり家賃支払いの義務を負います。
他方、賃貸人は引き続き賃貸住宅を使用させる義務を負います。
したがって、同居していた妻子は退去する必要はありません。
その他、借家権の相続に際して、例えば、賃貸人が名義書換料、賃料増額などを借家人に請求してくることも考えられますが、相続の場合は同一の契約条件で引き継ぎますので、基本的に借家人は自らに不利な条件変更の申し入れに応じる義務はありません。
この点、最近は、賃貸住宅に一人で暮らしていた高齢者が亡くなり、その後、賃貸人が、賃貸借契約の事後処理をするに際して、相続人を探さなければならなくなるなど、賃貸人の側が苦労されるケースも増えています。
番組内容の概要
番組では、賃貸借契約について、
「借家人が死亡したとき、同居する妻子は退去しなくていいの?」
「妻子が住み続けるとしたら契約条件はどうなるの?」
「内縁の妻等が同居していた場合は?」
「その他考えられるトラブルへの対応は?」
などについてお話ししました。
内容の概要は、以下のとおりです。
借家人が死亡したとき、同居する妻子は退去しなくていいの?
・借家人が死亡した場合
・相続人に承継されるもの
・もし賃貸人が死亡したら
妻子が住み続けるとしたら契約条件はどうなるの?
・契約条件はそのまま引き継ぐ
・借家人の家賃支払い義務
・賃貸人の賃貸住宅を使用させる義務
考えられるトラブルへの対応は?
・立ち退き請求
・名義書換料
・家賃の値上げ
・賃貸人が家賃を受け取ってくれなかったら
・死亡した借家人が、家賃を滞納していたら
内縁の妻等が同居人の場合は?
・死亡した借家人に他に相続人がいるとき
・死亡した借家人に他に相続人がいないとき
その他、賃貸借契約で気を付けること
今後とも宜しくお願い致します。