ラジオ(FMあまがさき、「中西優一郎のLaw・and・Order」の第27回目)に出演致しました。
「あるはずの遺言がない…遺産はどう分けるの?」
私は、3人兄弟の長男で、年をとった父親と同居して面倒を見ていました。
父親は、日頃から、「自分が亡くなったら、この家は一緒に住んでくれた長男にあげる。」と口癖のように言っていました。
父親は、自宅以外にはめぼしい財産はありません。
ところが、先日、父親が亡くなり、家の中を探しましたが、そのような遺言書は見つかりませんでした。
このような場合、父親名義の家は私のものになるのでしょうか。
というテーマでお話ししました。
遺言がある場合は、原則として、遺言のとおりに遺産を分けます。
したがって、遺言は、遺言をする方がご自身の思いに沿った財産の処分をすることができ、相続人による相続争いを防止する手段として効果的です。
もっとも、遺言のうち、自筆証書遺言(遺言をする方が自分で書く遺言)が有効となるには厳格な要件があります。
遺言をする方が全文、日付及び氏名を自分で書き、押印しなければなりません。
今回の事例のような口頭での遺言、又はテープレコーダーによる遺言等は、遺言としては無効となります。
また、自筆証書遺言の場合、遺言者ご自身、又はそのご親族等が遺言書を保管することが多く、管理をしっかりしておかないと、紛失したり、発見されないおそれもありますので注意が必要です。
この点、公正証書遺言(公証人が作成する遺言)は、原本が公証役場に保管されますので管理が確実で安全です。
せっかく作成した遺言が無効にならないよう、遺言を作成する際には、専門家のアドバイスを受けられることをお勧め致します。
番組内容の概要
番組では、遺言について、
「遺言は口頭でできるの?」
「亡くなった人について遺言書が作成されているか調べるには?」
「遺産を分けた後に遺言書が発見されたら?」
「遺言書を発見したらまず何をすればいい?」
などについてお話ししました。
内容の概要は、以下のとおりです。
遺言は口頭でできるの?
・遺言とは
・遺言の要件は
・口頭での遺言
・死因贈与契約
亡くなった人について遺言書が作成されているか調べるには?
・自筆証書遺言の場合
・公正証書遺言の場合
・公証役場でのコンピューター管理と照会
・照会に必要な書類
遺産を分けた後に遺言書が発見されたら?
・先に行われた遺産分割協議の効力
・相続人全員に確認すること
・遺言書を発見したらまず何をすればいい?
その他、遺言で気を付けること
今後とも宜しくお願い致します。