ラジオ(FMあまがさき、「中西優一郎のLaw・and・Order」の第22回目)に出演致しました。
「ペット禁止のマンションで犬を飼っている借家人…どうしたらいい?」というテーマで、お話ししました。
近年、「ペット可」のマンションも徐々に増えていますが、まだ、賃貸借契約上、ペットを禁止しているマンションが多いと思われます。
そして、「ペット禁止」のマンションであるにもかかわらず、住人が、隠れて犬を飼ってしまい、鳴き声、糞・尿の臭いなどで、近隣とトラブルになる事例も見受けられます。
この場合、「ペット禁止」の特約のあるマンションで犬を飼うことは、賃貸借契約に違反します。
よって、大家は、原則として、賃貸借契約を解除することができます。解除された場合、借主は、マンションを出て行かなければなりません。
もっとも、賃貸借契約は、当事者間の信頼関係を基礎とする継続的な契約であり、判例上、「信頼関係を破壊したと認めるに足らない特段の事情」がある場合には、大家は契約を解除できないとされています。
したがって、例えば、金魚、熱帯魚、小鳥などの小動物の場合、鳴き声などの騒音がうるさくなく、悪臭、部屋の傷み、汚れが特段ない場合、大家から注意を受け飼育を中止した場合などは、解除が認められないと考えられます。
ただし、解除が認められない場合であっても、ペットによる部屋の汚れや破損がある場合、大家は、借主が立ち退く際に原状回復を求めることができ、かかった修理代やクリーニング代を請求できます。
その他、被害が大きい場合、ペット飼育の差止めを求める仮処分申立て、損害賠償請求などの法的措置をとることも考えられます。
番組内容の概要
番組では、ペット禁止の特約に違反する借家人への対応について、
「ペット禁止違反の借家人を追い出すことはできるの?」
「賃貸借契約を解除できる?」
「裁判をしたらどうなる?」
「ペットによる部屋の汚れは、どうすればいいの?」
「借家人との交渉で気を付けることは?」
等をお話ししました。
内容の概要は、以下のとおりです。
ペット禁止違反の借家人を追い出すことはできるの?
・ペット禁止の特約とは
・賃貸借契約を解除できる場合
・賃貸借契約を解除できない場合
・信頼関係を損なう重大な違反とは
裁判をしたらどうなる?
・ペット飼育の差止めの仮処分
・損害賠償請求
・最近の裁判例
ペットによる部屋の汚れや破損は、どうすればいいの?
・原状回復義務とは
・借家人に請求できる費用の範囲
その他、大家が借家人との交渉で気を付けること
今後とも宜しくお願い致します。