ラジオ(FMあまがさき、「中西優一郎のLaw・and・Order」の第14回目)に出演させていただきました。
「子どものいない夫婦に遺言は必要?」というテーマをもとに、お話ししました。
子どものいない夫婦には、遺言は必要ないのでしょうか。一見、子どもがいないのなら、子どもたち兄弟同士で争うことがないので、遺言は不要のように思えます。
しかしながら、子どものいない夫婦の場合は、特に遺言が必要とされる典型例といえます。
この点、遺言がある場合は、原則として、遺言どおりに遺産を分けます。遺言がない場合は、相続人全員で話し合いを行って(遺産分割協議といいます)、遺産を分けます。遺産分割協議は相続人一人でも欠けたら無効で、全員が一致しないと成立しません。
では、子どもがいない夫婦において、夫が亡くなった場合、法定相続人は誰になるのでしょうか。
夫が亡くなった場合、夫の両親は既に亡くなっていることを前提にしますと、法定相続人は夫の兄弟となります。そして、法定相続分は、妻が4分の3、夫の兄弟が4分の1となります。
すなわち、妻は、亡くなった夫の兄弟と遺産分割協議をしなければならず、夫婦で築いた財産を、財産形成には関係ない夫の兄弟にも配分することになってしまいます。
したがって、長年連れ添った妻に財産を全部相続させるためには、遺言をしておくことが絶対に必要となります。
兄弟には、遺留分がありませんので、遺言をしておけば、財産を全部妻に残すことができます。
番組内容の概要
番組では、子どものいない夫婦について、遺言の必要性、作るべき遺言の内容等を中心に、法定相続人・相続分、遺留分の制度の概要、遺言の書き方、遺言を作る際に気を付けておくこと等をお話ししました。
内容の概要は以下のとおりです。
子どものいない夫婦に遺言は必要?
・遺言がある場合
・遺言がない場合
・法定相続人・相続分
子どものいない夫婦で作るべき遺言の内容は?
・全財産を夫・妻に
・夫婦共同で遺言を作成した場合の効力
・遺留分
遺言の種類は?
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
遺言はどうやって作るの?
・おすすめは公正証書遺言
・公正証書遺言を作成する費用
その他、遺言を作る際に気を付けておくこと
今後とも宜しくお願い致します。