ラジオ(FMあまがさき、「中西優一郎のLaw・and・Order」の第12回目)に出演させていただきました。
「マンションの上の階の音がうるさくて眠れない…どうすればいい?」というテーマをもとに、お話ししました。
集合住宅における近隣トラブルは、騒音が原因であることが多いようです。
近隣トラブルの特徴は、近隣との付き合いが上手くいっているときは、まったく問題にならない些細な事が、一旦関係がこじれると大事になってしまい、お互い感情的になり、エスカレートし易いという点にあります。
したがって、トラブルが小さいうちに冷静になって、適切に対処することが重要です。すなわち、最初の対応を慎重に行う必要があります。もし、直接の話し合いによる解決が難しい場合には、管理会社等の第三者から伝えてもらう、第三者を交えて話し合う方法等を選択されたほうがよいです。
そして、当事者間の話し合いによる解決が出来ない場合には、最終的に、調停、訴訟等の法的手段を検討することになります。
一般的に、裁判では、騒音の大きさ、頻度、被害の程度、生活上必要やむを得ない騒音であるかなどを総合的に考慮して、「受任限度」を超える騒音と判断された場合に、損害賠償を認めています。
しかしながら、騒音被害による損害賠償請求については、騒音を受けた側が、騒音の事実を立証しなければなりませんので、騒音の様子を録音するなど証拠を準備しなければなりません。
また、実務上、この種の裁判では、あまり高額の損害賠償は認められていません。
集合住宅で生活をする場合、近隣の迷惑にならないよう配慮することは当然ですが、生活上やむを得ない音はお互い様という部分もあります。近隣トラブルは、日頃からご近所付き合いをし、円滑なコミュニケーションをしておくことが効果的な予防法になります。
番組内容の概要
番組では、マンションの騒音トラブルに関して、有効な対応方法、最近の裁判例、受忍限度の判断基準、近隣トラブルで気を付けておくことなどについてお話ししました。
内容の概要は、以下のとおりです。
騒音トラブルの対応方法は?
・近隣トラブルの特徴
・話し合いによる解決
・法的手段による解決
・最近の裁判例
どの程度の騒音であれば我慢しなければならないの?
・受忍限度とは
・受忍限度の判断基準
・環境省の環境基準
その他、近隣トラブルで気を付けておくこと
今後とも宜しくお願い致します。