ご依頼者;兵庫県内の製造業者
破産申立て;平成25年
破産手続終結決定;平成26年
負債総額;約3,000万円
ご相談・ご依頼のきっかけ
ご依頼者は、製造業を経営していましたが、近年の不況により、創業以降、連続で赤字が続き、金融機関に対する返済が困難となったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所の活動
ご依頼者に、経営状況、負債状況、資産状況等に関してヒアリングを行い、会社の創業以降の決算書を精査した結果、今後、売上が上昇する見込みが少なく、債務の返済が著しく困難な状況でした。
そこで、ご依頼者と十分協議を重ね、ご依頼者のご判断により破産を選択することになりました。
当事務所が受任し、金融機関に対して受任通知を発送しました。
その後、賃借していた工場内の財産を保全し、工場の明渡しに取り掛かりました。工場内には、大量の機械、製品、仕掛品等が残っていました。
工場内の機械等、リース物件を解約して業者に引き取っていただき、動産類は見積もりを取得して適宜、処分し、工場内を整理したうえで、弁護士が賃貸人と交渉して現状有姿での明渡し(原状回復費用なし)の了承を得ることができました。
また、買掛先が数社ありましたが、弁護士より破産の手続等を説明し、理解を得たことで、大きな混乱はありませんでした。
未回収となっていた売掛金は、弁護士のアドバイスにより回収することができ、予納金等の破産費用に一部、充てることができました。
そして、会社と代表者個人の破産申立てを行い、無事、破産手続を終えることができました。
当事務所による解決のポイント
ご依頼者が、弁護士に破産手続を任せることにより、以後、安心して生活再建のための準備を行うことができました。その結果、代表者は就職活動を行い、再就職することができました。
また、賃借していた工場は入居時に大規模な改装工事を行ったため、本来であれば多額の原状回復費用が発生するところ、弁護士の交渉により現状有姿での明渡しの了承を得ることができ、工場内の物品も業者より見積もりの取得をして処分をするなど、迅速に進めることができました。
また、法人の破産申立ては、資金のない状況で、予納金等の確保に苦労することがよくあります。本件では、弁護士のアドバイスにより、未回収となっていた売掛金を回収することができ、予納金等の破産費用に一部、充てることができました。