父親が亡くなり、相続人は、長男のAさんと、次男のBさん、三男のCさんがいます。しかし、三男のCさんは4年前から行方不明で音信不通です。
このような場合、遺産分割協議はどうしたらいいのでしょうか。行方不明のCさんを除いて遺産分割協議をすることはできるでしょうか。
不在者財産管理人選任の申立て
相続人の一部を抜かした遺産分割協議は無効となります。
本件では、Cさんを除いて遺産分割協議をすることはできません。
したがって、まずは、戸籍附票の取得による住所の調査、親族への問い合わせによる住所ないし居所の調査等によって、行方不明者であるCさんを探すことになります。
そして、このような方法でも分からずCさんと連絡が取れない場合は、行方不明者について、家庭裁判所に「不在者の財産管理人選任の申立て」をします。
その結果、家庭裁判所の許可を得て、この不在者財産管理人が行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加し、遺産を分割することになります。
失踪宣告
もし、Cさんが7年以上行方不明で生きているかどうかも分からない場合は、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることが考えられます(普通失踪といいます。)。
失踪宣告の要件を満たして失踪宣告がなされた場合、不在者は死亡したものとみなされ、不在者について相続が開始します。
そして、不在者に相続人がいる場合には、当該相続人が遺産分割協議の当事者となります。