職場のパワーハラスメント(パワハラ)は、社員のメンタルヘルスの悪化や職場の生産性の低下など、さまざまな損失をもたらします。
パワハラ被害が出ないよう社内全体で予防・解決の取り組みを行う必要があります。
パワハラと業務上の指導との線引き
パワハラとは、職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為をいいます。
適正な範囲であれば業務上の指導であり、パワハラにはあたりませんが、実際にはパワハラと業務上の指導との線引きがむずかしい場合があります。
適正な範囲かどうかは、言動の意図・目的、内容、態様などから、指導の必要性および相当性を考慮して判断されます。
一般的に、暴行・脅迫、人格を非難するような暴言、業務上不要なことや実行不可能なことを強制させる言動などは、パワハラにあたりますので注意が必要です。
パワハラの予防・解決の取り組み
職場のパワハラを予防するには、まず企業のトップがパワハラをなくす姿勢を明確に示し、経営幹部にパワハラ対策の重要性を理解させることが大切です。
次に、社内調査を実施して現状と問題点を把握し、ガイドラインなどにより自社のルールを決めます。定期的にパワハラ研修を行い、社員の問題意識を高めることも有効です。
また、問題が発生した場合に備えて、社内外に相談窓口を設置し、弁護士などの専門家の助言を得ながら迅速に対応できる体制を整えましょう。
セクハラ対策などの既存の枠組みがあれば、それを活用する方法もあります。おのおのの職場の事情に応じてできるところから取り組みを始めましょう。