近年、未払い残業代をめぐってトラブルになるケースが増えています。
労働法に関する正しい知識を身に付けて適切に対処する必要があります。
労働時間を正確に把握する
残業代のトラブルを防ぐためには、社員の労働時間をきっちりと把握し、そもそも未払いという事態を生じさせないようにすることが何よりも大切です。
会社は社員の労働時間を把握する義務があります。
労働時間を把握していないと、社員が労働時間を記載した日記、手帳のメモなどによって不正確な残業代を請求してきた場合でも、適切な反証が難しくなってしまいます。
労働時間をできる限り正確に把握するため、タイムカードなどで機械的に記録するようにしましょう。
そして、実際の労働時間と一致しているかについて定期的に調査しましょう。
無駄な残業をなくす
次に、労働時間の中身を検証し、無駄な残業をなくす対策が必要です。
残業する場合には、その理由、業務内容、予定時間を申告してもらい、上司の許可が必要なシステムにしましょう。
これにより残業の内容および必要性をチェックできます。
そのうえで、仕事量が多くないのに残業が多い社員には、おのおのの業務について必要な時間を数値化して目安を示し、努力を促して仕事量に見合った労働時間に修正していきます。
また、退社時間を決めて遵守させたり、業務の効率化のための作業マニュアルを作成するなど社内全体で意識改革に取り組むことが大切です。
そのほか、裁量労働制、固定残業手当の導入など賃金体系の改定を検討することも有効です。