尼崎市たばこ対策推進条例が、平成30年6月に制定されました。
この条例では、市や市民、事業者などが相互に連携を図り、協力してたばこ対策に取り組むことで、すべての人が健康で快適に暮らすことのできるまちを目指すとされています。
この条例は、市、市民、事業者などが協力してたばこ対策に取り組んでいくためのルールとなるものです。
条例では、主に禁煙の支援、受動喫煙の防止、市内全域での歩きたばこの禁止、たばこの吸い殻のポイ捨て禁止、また、路上喫煙禁止区域を指定することなどを定めています。
たばこ対策とは、禁煙の支援、受動喫煙の防止、未成年者の喫煙防止、路上喫煙の抑制、歩きたばこの禁止及び吸い殻のポイ捨ての抑制などの対策を言います。
以下、詳細、説明します。
条例制定の背景は?
たばこは嗜好品とされていますが、喫煙や受動喫煙による健康への影響が指摘されており、歩きたばこによる他人へのやけどや吸い殼ごみの散乱が社会的な問題となっています。
このようなたばこに関するさまざまな課題の解決に向けて、市民アンケートやタウンミーティングでの議論を経て、条例が制定されました。
健康的にかつ安全で快適に暮らし過ごすことができるまちを目指し、尼崎市民と協力してたばこ対策に取り組んでいくためのルールとして、たばこ対策推進条例が制定されました。
条例の内容は?
・ 尼崎市や市民、事業者などの責務
市は、たばこ対策に関する施策を策定・実施します。
市民や事業者などは市の施策に協力することとしています。
たばこを吸う人も吸わない人もお互いに快適に暮らすことができるように配慮することが求められます。
・ たばこ対策に関する啓発
肺年齢測定などを通じて、たばこが健康に及ぼす影響などについて啓発します。
また、やけどや火事などの危険性についても啓発します。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は喫煙や受動喫煙などが原因で肺の空気の通りが慢性的に悪くなり、呼吸がしにくくなる病気です。
肺年齢は見た目では分からない肺の健康状態を知るきっかけとなります。
・ 禁煙支援・受動喫煙の防止など
禁煙の支援や受動喫煙の防止、未成年者の喫煙防止に努めます。
ポイント
・ 健康とマナーの双方を盛り込んだ条例
・ 罰則はなく、自治のまちづくりの基本理念に基づきみんなが相互に協力する
・ 加熱式たばこも対象(たばこ葉やたばこ葉を用いた加工品を使用する加熱式たばこについてもこの条例の対象になります。)
規制内容は?
・ 路上喫煙禁止区域の指定
特に路上喫煙を禁止する必要がある区域を路上喫煙禁止区域に指定されます。
尼崎市のたばこ対策推進条例では、人が多く集まり、特に市民などの健康や身体、財産への被害の恐れがあると想定される区域を、路上喫煙禁止区域として指定されます。
平成30年10月1日から、路上喫煙禁止区域として指定するのは、JR尼崎駅周辺の予定です。
この区域では路上喫煙を禁止するため、喫煙するときは、JR尼崎駅の南北のロータリーにそれぞれ設置した喫煙所で行うことが求められます。
今後、順次路上喫煙禁止区域を指定される予定です。
・ 歩きたばこの禁止
尼崎市内全域で歩きたばこを禁止します。
歩きながら、また自転車などを運転しながらたばこを吸う行為は、たばこの火が他人を火傷させたり、衣服等を焦げさせたりする恐れがあるほか、吸殻のポイ捨てにもつながります。
したがって尼崎市内全域で歩きたばこを禁止します。
歩きながらの喫煙のほか、自転車や単車などに乗りながら、また自動車における喫煙についても、車内からたばこを持つ手などが車外に露出したり、たばこの煙が窓の外に流れ出るような場合は歩きたばことして中止、必要な措置を講じる指導が行われます。
・ 違反者に対する指導など
尼崎市は路上喫煙禁止区域での喫煙や歩きたばこをしている人に対して、喫煙の中止などの指導を行います。
また、市民や事業者などは助言を行うことができます。
・ 吸い殼の散乱防止
空き缶等の散乱防止に関する条例で規制している通り、尼崎市内全域でポイ捨てを禁止しています。
携帯用灰皿の使用などが求められます。
路上喫煙禁止区域の指定と歩きたばこの禁止、違反者に対する指導などは平成30年10月1日から施行されます。
健康増進法の改正について
2018年7月、望まない受動喫煙の防止を図るため、健康増進法の一部が改正されました。
これにより、病院や学校、行政機関、保育所は建物内が完全禁煙となります。
また、ホテルの客室以外の場所や飲食店なども原則、屋内は禁煙(経過措置として資本金5000万円以下の個人か中小企業で、客席面積100㎡以下の既存店は喫煙可。ただし掲示義務あり)となり、喫煙専用室でのみ喫煙が可能となります。
多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする初めての法律です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに段階的に施行されます。