入札検討者は、インターネット上で公開されたBITシステムで資料の内容を確認することが多いです。
裁判所で用意している資料(事件記録)は、次の3つです(3点セット)。
- 物件明細書
- 不動産評価書
- 現況調査報告書
以下、不動産評価書について、説明します
競売不動産の売却基準価額は、裁判所が選任した評価人が提出する評価書に基づいて決定されます。
通常、不動産鑑定士である評価人は、対象不動産の評価額と、その評価の年月日をこの評価書で明らかにします。
評価書には、評価額算出の過程も記載されます。
入札人は、この算出過程を注意して読む必要があります。
通常、競売不動産の売却基準価額は、一般市場価格に比べて安く設定されます。
その理由は、一般の不動産取引と比較して競売不動産特有の各種の制約(売主の協力が得られないことがあること、買受希望者は内覧制度によるほかは物件内部の確認が直接できないこと、引渡しを受けるために法定の手続をとらなければならない場合があること、瑕疵担保責任がないこと等)の特殊性を反映させた価格となるからです。
評価の減価要因は、慎重に調査、検討をする必要があります。
例えば、以下です。
- 対象物件が、建築基準法上の道路に接していなく、再建築不能であるなどの欠陥を抱えていて、これが減価要因となっている。
- 都市計画法などの法令により、利用制限があり、これにより減価されている。
- 地役権などが設定されていて、負担となる権利があるため減価されている。
- 土壌汚染やアスベストの含有などにより減価されている。
上記のほか、占有者がいることによる減価、滞納管理費などによる減価なども注意する必要があります。