入札検討者は、インターネット上で公開されたBITシステムで資料の内容を確認することが多いです。
裁判所で用意している資料(事件記録)は、次の3つです(3点セット)。
- 物件明細書
- 不動産評価書
- 現況調査報告書
以下、物件明細書について、説明します
物件明細書は、裁判所書記官が作成します。
買受人が負担する権利などについての裁判所の認識が記載されており、事件記録の重要書面です。
但し、あくまで裁判所の解釈を明示したものであり、記載と異なる事実関係が明らかになれば、その事実が優先されます。
買受人が負担することとなる他人の権利
物件明細書の「買受人が負担することとなる他人の権利」欄には、買い受けた時に引き継がなければならない賃借権等について記載されます。
買った後も、現在その不動産を利用している者に、引き続き利用させる必要がある場合などは、ここに記載されます。
買受人に引き継がなければならない賃借権やその他引受けとなる諸権利がない場合にはこの欄には「なし」と記載されます。
物件の占有状況等に関する特記事項
物件明細書の「物件の占有状況等に関する特記事項」欄には、例えば、以下の事項などが記載されます。
- 本件所有者(又は債務者)が占有している。
- ~が占有している。同人の賃借権は抵当権に遅れる。ただし、代金納付日から6カ月間明渡しが猶予される。
- ~の主張する賃借権は正常なものとは認められない。
- ~が占有している。同人の占有権限は使用借権と認められる。
その他買受けの参考となる事項
物件明細書の「その他買受けの参考となる事項」欄には、例えば、以下の事項などが記載されます。
- 管理費の滞納あり
- 売却対象外建物あり
- 本件建物のためにその敷地につき借地権(賃借権)が存する。買受人は、地主の承諾又は裁判等を要する。
- 建物収去・土地明渡しの訴訟あり
- 本件土地は袋地であり、~の売却対象外土地を通らねばならない