改正入管法「特定技能」を弁護士が解説(2019年4月1日より)

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平成30年12月8日、第197回国会(臨時会)において「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、同月14日に公布されました(平成30年法律第102号)。

この改正法は、在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設、出入国在留管理庁の設置等を内容とするものです。

特に、注目される内容は「特定技能」という在留資格を新たに設けることです。

これまで、外国からきた技能実習生は「日本の優れた技術を学んでもらう」という名目で来日し、実際には工場作業や漁業などの単純労働を担ってきました。

これに対し、「特定技能」は、「外国人により不足する人材の確保を図る」と、明確に労働者として外国人を受け入れるものです。

この記事では、特定技能について、説明します。

この記事で書かれている要点(目次)

1.入管法改正の概要
2.入管法改正の背景
3.特定技能とは
4.受入れ機関
5.登録支援機関

1.入管法改正の概要

外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が2019年4月1日、施行されました。

人材不足が深刻な14業種で就労を認める新たな在留資格「特定技能」を導入し、5年間で最大約34万5000人の受け入れを見込んでいます。

受け入れ人数が最も多いのが介護で最大6万人。外食業が5万3000人、建設が4万人と続きます。

新在留資格「特定技能」は2段階あります。

一定の技能が必要な業務は「特定技能1号」、熟練技能が必要な場合は「2号」と分類されています。

「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与える「1号」は、単純作業など比較的簡単な仕事に就きます。

最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば取得できます。

在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めないです。

1号は、農業、漁業、飲食料品製造、外食、介護、ビルクリーニング、素材加工、産業機械製造、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊の14業種で受け入れます。

さらに、高度な試験に合格した人に与える「2号」は、現場監督など熟練した技能を要求される仕事に就く外国人です。

在留資格は1~3年ごとに更新ができ、更新時の審査を通過すれば更新回数に制限はないです。

配偶者や子どもなどの家族の帯同も可能です。

建設や造船などの業種で将来の導入を検討しています。

運用の主体となる出入国在留管理庁も同日に発足しました。

在留管理と外国人の雇用や生活支援の両面を担います。

2.入管法改正の背景

外国人労働者のうち、在留資格「留学」と「技能実習」で働く外国人が多いです。

技能実習生や留学生のアルバイトが「安価な労働力」として単純労働に就いています。

技能実習生は、低賃金や長時間残業などの問題がたびたび指摘されてきています。

留学生は現在、週28時間までのアルバイトが認められ、コンビニや飲食店などで働いているが、学業がおろそかになり、学校を除籍となるケースなどが出ています。

政府は外国人の単純労働者を受け入れないとしながら、発展途上国に日本の技術を教える国際貢献という名目で外国人労働者を受け入れてきました。

この考え方は1990年の改正入管法施行で確立しました。

就労資格は、医師や大学教授など、高い専門性や技術を持つ外国人材に限定されていました。

今回の改正入管法は、単純労働への外国人就労を新たな在留資格で明確に位置づけます。

賃金も日本人と同等以上とするよう、受け入れ先企業に義務付けます。

今回の制度は、深刻な人手不足の状況に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度と言われています。

3.特定技能とは

在留資格「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号の2種類があります。

特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

特定技能1号

特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

※特定産業分野(14分野)

介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

(特定技能2号は、建設、造船・舶用工業の2分野のみ受入れ可)

特定技能1号のポイント

・在留期間:1年、6か月又は4か月ごとの更新、通算で上限5年まで

・技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

・日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

・家族の帯同:基本的に認めない

・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象

特定技能2号

特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

※特定産業分野(14分野)

介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

(特定技能2号は、建設、造船・舶用工業の2分野のみ受入れ可)

特定技能2号のポイント

・在留期間:3年、1年又は6か月ごとの更新

・技能水準:試験等で確認

・日本語能力水準:試験等での確認は不要

・家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)

・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外

4.受入れ機関

受入れ機関が外国人を受け入れるための基準

①外国人と結ぶ雇用契約が適切(例:報酬額が日本人と同等以上)

②機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)

③外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)

④外国人を支援する計画が適切(例:生活オリエンテーション等を含む)

受入れ機関の義務

①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行(例:報酬を適切に支払う)

②外国人への支援を適切に実施

→支援については,登録支援機関に委託も可。

全部委託すれば上記③(外国人を支援する体制あり)も満たす。

③出入国在留管理庁への各種届出

(注)①~③を怠ると外国人を受け入れられなくなるほか、出入国在留管理庁から指導、改善命令等を受けることがある。

5.登録支援機関

登録を受けるための基準

①機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)

②外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)

登録支援機関の義務

①外国人への支援を適切に実施

②出入国在留管理庁への各種届出

(注)①②を怠ると登録を取り消されることがある。

 

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